ねぎ栽培の農薬管理ポイント|さび病・べと病・ネギアザミウマの防除
ねぎ栽培と農薬管理の特徴
ねぎ(根深ねぎ・葉ねぎ)は、年間を通じて栽培される重要な野菜です。根深ねぎは土寄せを繰り返しながら軟白部を伸ばす長期栽培で、春〜夏にかけてさび病が多発しやすく、秋〜冬はべと病・小菌核腐敗病が問題になります。
ねぎは葉面が細長く蝋質のため農薬が付着しにくい特性があります。展着剤を使用するか、展着剤入りの製剤を選ぶことが防除効果を高める上で重要です。
主要な病害と対策
さび病
ねぎで最もよく見られる病害のひとつです。葉に橙黄色の粉状の胞子(夏胞子堆)が多数形成され、激しいときは葉全体が枯死します。5〜6月と9〜11月の気温15〜20℃で多湿の条件に多発します。ジマンダイセン水和剤、ダコニール1000フロアブル、マネージDF、モレスタン水和剤などが使用されます。
べと病
葉に淡黄色の病斑が生じ、湿度が高いと葉表面に灰白色〜灰紫色のカビが発生します。春と秋の低温多湿時期に多発し、ひどい場合は圃場全体に急速に広がります。ランマンフロアブル、ホライズンDF、リドミルゴールドMZなどが有効です。発病前からの予防散布が基本です。
小菌核腐敗病(白絹病・菌核病)
土壌中の菌(Sclerotium属)によって引き起こされる病害で、地際部の葉鞘が腐敗し、白色の菌糸と小型の菌核(粟粒大の褐色粒)が形成されます。高温多湿期(7〜9月)に発生しやすく、連作圃場で発生が増えます。モンカット水和剤、バシタック水和剤などで防除します。輪作・深耕・排水管理が根本的な予防策です。
黒斑病
葉に水浸状の褐色病斑が生じ、進展すると葉が黒褐色に枯死します。梅雨時〜秋雨期の多雨条件で発生しやすいです。ダコニール1000フロアブル、オーソサイド水和剤などが有効です。
主要な害虫と対策
ネギアザミウマ
ねぎ類で最も重要な害虫のひとつで、葉を吸汁して白い筋状の傷(カスリ状被害)をつけます。外観品質への影響が大きく、市場価値を直接損ないます。夏〜秋の高温乾燥期に特に多発します。スピノエース顆粒水和剤、モスピラン顆粒水溶剤、アファーム乳剤などをローテーション使用します。薬剤耐性の進行に注意が必要です。
ネギコガ
幼虫が葉に潜り込み内部を食害する害虫です。被害葉には白い縦筋状の食痕が残り、葉が枯れ上がります。プレバソンフロアブル5、アファーム乳剤などが使用されます。幼虫が葉内部に潜ると農薬が届きにくくなるため、若齢幼虫の時期(産卵直後〜孵化直後)を狙って散布することが効果的です。
アブラムシ類
葉に群生して吸汁し、生育を阻害します。ウイルス病の媒介にもなるため、発生初期の防除が重要です。コルト顆粒水和剤、モスピラン顆粒水溶剤などで防除します。
ネギハモグリバエ
幼虫が葉内部に潜って食害し、白い蛇行した食痕(マイン)を残します。施設栽培で被害が目立つことがあります。ディアナSC、スピノエース顆粒水和剤などが有効です。
農薬使用上の注意点
ねぎは葉面が滑らかで薬液が流れ落ちやすいため、展着剤の使用が重要です。農薬ラベルに記載の展着剤を規定量加えて散布してください。
また、ネギアザミウマは薬剤耐性がつきやすいことが全国的に問題になっています。同系統の殺虫剤を連続使用せず、必ず作用機序の異なる薬剤をローテーションしてください。農薬混用チェッカーの散布記録機能を使って使用履歴を管理することをおすすめします。
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