トマト栽培の農薬管理ポイント|疫病・灰色かび病・コナジラミの防除
トマト栽培と農薬管理
トマトは日本で最も広く栽培される果菜類のひとつであり、施設栽培が主流です。生育期間が長く、年間を通じて様々な病害虫が発生するため、計画的な農薬管理が求められます。特にコナジラミ類やアザミウマ類は農薬耐性がつきやすく、またTSWV(トマト黄化えそウイルス)などのウイルス病を媒介するため注意が必要です。
主要な病害と対策
疫病
トマト疫病はPhytophthora属の菌類による病害で、多雨・多湿条件で急速に拡大し、茎・葉・果実に水浸状の病斑を形成します。一度発病すると急速に株全体に広がるため、発病前からの予防散布が重要です。ランマンフロアブル、ダコニール1000フロアブル、リドミルゴールドMZ水和剤などが使用されます。
灰色かび病
トマト施設栽培で最も問題になる病害のひとつです。低温多湿の条件(特に秋〜春)で発生しやすく、花弁・葉・果実に灰色のカビが発生します。落花した花弁が感染源になりやすいため、週1回程度の除花作業も有効な予防策です。ロブラール水和剤、ゲッター水和剤、スクレアフロアブルなどをローテーション使用します。耐性菌対策のため同系統の連用は避けてください。
葉かび病
施設トマトで問題になる病害で、葉裏に黄褐色のカビが密生します。高湿度条件で発生し、換気管理が重要な予防策です。アフェットフロアブル、カリグリーン溶液などで防除します。
輪紋病(早期疫病)
葉に同心円状の病斑が現れる病害で、下葉から発生して上に進展します。ダコニール1000フロアブルなどで予防防除します。
主要な害虫と対策
コナジラミ類(オンシツコナジラミ・タバココナジラミ)
トマト施設栽培で最も重要な害虫のひとつです。葉裏に群生して吸汁し、甘露によるすす病を誘発するほか、タバココナジラミはTYLCV(トマト黄化葉巻ウイルス)を媒介します。ベネビアOD、スタークル顆粒水溶剤、ベストガード溶剤などが有効ですが、耐性がつきやすいためローテーション使用が必須です。
アザミウマ類(ミナミキイロアザミウマ・ネギアザミウマ)
花や新葉に寄生して吸汁し、TSWV(トマト黄化えそウイルス)を媒介します。被害が進むと株が萎縮・枯死することもあり、早期防除が重要です。スピノエース顆粒水和剤、チェス顆粒水和剤、モベントフロアブルなどをローテーション使用します。定植前の育苗段階からの管理が有効です。
ハモグリバエ類
幼虫が葉内に潜って食害し、「葉絵(えが)」と呼ばれる白い蛇行跡を残します。被害が多くなると光合成能力が低下します。アファームエクセラ顆粒水和剤、スピノエース顆粒水和剤などで防除します。
効果的な防除管理
トマトは栽培期間が長いため、農薬の使用回数制限(総使用回数)を意識した年間防除計画が重要です。同じ病害虫に対して複数の農薬を計画的にローテーションし、耐性菌・耐性虫の出現を防ぐことが安定生産につながります。農薬混用チェッカーを活用して、同時防除の際の混用可否を確認してから散布するようにしましょう。
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