農薬混用の基礎知識|なぜ混ぜてはいけない組み合わせがあるのか

📅 2026-04-15|農薬混用チェッカー編集部

農薬混用の目的とリスク

農薬の混用(タンクミックス)は、1回の散布で殺虫剤と殺菌剤を同時に使うなど、作業効率を上げるために広く行われています。散布回数を減らすことで、労働時間の短縮や燃料費の節約にもつながります。

しかし、すべての農薬が混用できるわけではありません。相性の悪い農薬を混ぜると、薬効が落ちたり、作物に薬害が出たり、タンク内で固まって詰まりが起きたりすることがあります。

混用できない主な理由

①物理的な問題(凝集・分離)

農薬の剤型によっては、混合した際に凝集(かたまり)や分離が起きることがあります。フロアブル剤同士、または水和剤とフロアブル剤の組み合わせで起きやすく、ノズルが詰まる原因になります。

②化学的な反応(薬害・効力低下)

農薬の有効成分が化学的に反応して、分解・変質することがあります。アルカリ性の農薬と酸性の農薬を混ぜると、互いに中和されて効力が落ちる場合があります。また、反応によって新たな物質が生成され、これが作物に薬害を引き起こすこともあります。

③pHの問題

農薬の安定性はpHに影響される場合があります。極端なアルカリ条件や酸性条件では、農薬成分が加水分解して急速に失活することがあります。特に石灰硫黄合剤などのアルカリ性農薬は、多くの農薬と混用できないため注意が必要です。

混用前に必ず確認すること

ステップ1:メーカーの混用表で確認する
農薬混用チェッカーを使って、使いたい農薬の組み合わせを事前に確認しましょう。

ステップ2:少量でテスト混合する
混用可能と確認できた場合でも、初めての組み合わせは、コップ1杯程度の水で少量ずつ混ぜてみて、異常が起きないかを確認する習慣をつけましょう。

ステップ3:混合する順番を守る
一般的には、展着剤 → 水和剤・顆粒水和剤 → フロアブル剤 → 液剤・乳剤の順で水に溶かすのが基本とされています。

混用できても注意が必要な場合

混用表で「●」や「◎」の判定が出ていても、以下の条件では結果が変わる場合があります。

  • 気温35℃以上の高温下での使用
  • 水の硬度(ミネラル含有量)が非常に高い地域
  • 散布後に急な降雨があった場合

農薬は自然環境に散布されるものだからこそ、状況に応じた判断が必要です。疑問が生じた際は、JAの営農指導員やメーカーに相談することを忘れずに。

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