いちご栽培の農薬管理ポイント|主要病害虫と防除のコツ
いちご栽培と農薬管理の重要性
いちごは果肉が柔らかく繊細な作物であり、病害虫の被害を受けやすい特性があります。施設栽培(ハウス栽培)が主流であることから、高温・多湿の環境が病害の発生を促進しやすく、適切な農薬管理が収量・品質の確保に直結します。
また、いちごは収穫期間が長い作物でもあるため、農薬の使用回数制限(総使用回数)と収穫前日数(PHI)の管理が特に重要です。
主要な病害と対策農薬
うどんこ病
いちごで最も多く発生する病害の一つです。葉・花・果実の表面に白い粉状のカビが広がり、果実の品質を著しく低下させます。高温乾燥条件で発生しやすく、ハウス内での換気が重要な予防策となります。対策農薬としては、フルピカフロアブル、スコア顆粒水和剤などが多く使われています。
灰色かび病(ボトリチス)
低温多湿条件で発生しやすい病害です。果実に灰色のカビが発生し、腐敗します。開花期の防除が重要で、ロブラール水和剤、ゲッター水和剤などが使用されます。同じ系統の薬剤を連用すると耐性菌が出やすいため、ローテーション散布が推奨されます。
炭疽病
苗の時期に特に問題になる病害です。ランナーや葉柄に黒褐色の斑点が生じ、株が枯死することもあります。定植前の親株管理が重要です。
主要な害虫と対策農薬
ハダニ類(ナミハダニ・カンザワハダニ)
いちご栽培で最も問題になる害虫の一つです。葉の裏に寄生して吸汁し、葉が白く変色します。繁殖力が強く、薬剤耐性がつきやすいため、同系統の農薬を続けて使わないことが重要です。アーデント水和剤、バロックフロアブル、コロマイト水和剤などをローテーション使用します。
アザミウマ類(スリップス)
花や新葉に寄生し、果実の肌荒れや奇形果の原因になります。施設内に侵入すると駆除が難しくなるため、早期発見・早期防除が重要です。スピノエース顆粒水和剤、チェス顆粒水和剤などが使用されます。
アブラムシ類
新芽や花に群生して吸汁します。ウイルス病の媒介にもなるため、早期防除が必要です。モスピラン顆粒水溶剤、コルト顆粒水和剤などが使用されます。
農薬ローテーションの重要性
いちごは栽培期間が長いため、同じ農薬を繰り返し使うと病害虫に耐性(薬剤抵抗性)がつくリスクがあります。作用機序の異なる農薬をローテーション使用することが、効果を維持する上で非常に重要です。
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