なす栽培の農薬管理ポイント|コナジラミ・ハダニ・うどんこ病の防除
なす栽培と農薬管理の特徴
なすは高温を好む作物で、施設栽培・露地栽培ともに広く行われています。栽培期間が長く(施設では10ヶ月以上になることも)、コナジラミ類・ハダニ類・アザミウマ類といった吸汁性害虫が多発しやすい作物です。また、うどんこ病・灰色かび病などの病害も問題になります。
なすは連作障害(青枯病・半枯病など土壌病害)が出やすいため、輪作や土壌消毒も農薬管理の重要な要素となります。
主要な病害と対策
うどんこ病
葉の表面に白い粉状のカビが広がる病害で、なすでも多発します。気温25〜30℃で乾燥気味の条件に多く発生し、施設内での発生が顕著です。カリグリーン溶液、パンチョTF顆粒水和剤、トリフミン水和剤などで防除します。うどんこ病は薬剤耐性がつきやすいため、作用機序の異なる薬剤をローテーション使用することが重要です。
灰色かび病
低温多湿条件(特に秋〜春の施設内)で花や茎に灰色のカビが発生する病害です。摘葉・摘花による風通しの改善と合わせて、ロブラール水和剤、ゲッター水和剤、スクレアフロアブルなどで防除します。
青枯病・半枯病
いずれも土壌に生息する細菌・糸状菌による病害で、株が突然萎凋して枯死します。感染すると農薬による治療はほぼ困難なため、接ぎ木苗の使用・輪作・土壌消毒(土壌くん蒸剤の使用)による予防が基本になります。
主要な害虫と対策
コナジラミ類(オンシツコナジラミ・タバココナジラミ)
施設なす栽培で最も重要な害虫で、葉裏に群生して吸汁します。甘露によるすす病を誘発するほか、タバココナジラミはウイルス病の媒介者にもなります。防除が遅れると密度が急増するため早期発見が重要です。ベネビアOD、ベストガード溶剤、スタークル顆粒水溶剤などを使用しますが、耐性がつきやすいため必ずローテーション使用してください。
ハダニ類(ナミハダニ・カンザワハダニ)
高温乾燥期に多発する害虫で、なすは特に被害を受けやすい作物です。葉裏に寄生して吸汁し、被害葉は白く変色して落葉します。アーデント水和剤、バロックフロアブル、コロマイト乳剤、ダニコングフロアブルなど複数薬剤のローテーション使用が耐性管理の基本です。
アザミウマ類
花や新葉に寄生し、果実に白いかすり傷を生じさせます。ウイルス病を媒介する種もいます。スピノエース顆粒水和剤、チェス顆粒水和剤などで防除します。
チャノホコリダニ
なす特有の問題になりやすい微小なダニです。新葉が縮れて上向きにカールし、果実表面がコルク状になります。肉眼では確認しにくいため発見が遅れがちです。コロマイト乳剤で防除します。
防除の基本方針
なすは栽培期間が長いため、農薬の総使用回数管理と耐性害虫・耐性菌の対策が特に重要です。定期的に農薬を切り替え、異なる系統の薬剤を組み合わせた計画的な防除体系を組み立てることで、1シーズンを通じた安定した防除が実現します。
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